Paul Gallico, my favorite storyteller was born in 1897.

(1897-1976)

photograph by Arne Glantz

from "The Snow Goose"

Alfred A.Knopf,Publisher,New York

略 歴 著 書 訳 者

 


生誕百年によせて
生誕百年。自分のお気に入りの作家があまり話題にならないのは寂しい反面、my favorite(私の)と強調できる事は嬉しいことかも知れません。ギャリコの作品に出会ったのは20年前…物語の世界に引込まれるような語り口に魅了され熱烈なファンとなり、何軒もの本屋を時間も忘れて「ポール・ギャリコ」の文字を探して回ったものです。記念の年ということで改めて読み直してみると、登場人物(動物)の心から囁やかられる言葉は、本当に大切な何かを私に思い出させてくれるようです。

「われわれのまわりには魔法がみちみちている。とアダム(ほんものの魔法使い)は言う。自然の営みのどれ一つをとってみても奇跡としか言えない。」…「そしてもう一つ…それはきみの魔法だ。」…「<できる>っていう仕切りと<やってみせる>っていう仕切り、その鍵をあけるこつさえ学べば強力な魔法がきみを助けてくれる。」…「空想の魔法が働きはじめたね。あとはただきみがなんとかして実現させるだけだ」…

ほんものの魔法使(矢川澄子訳、大和書房)より

生誕百年の年、このページが、みなさんとギャリコの物語との出会い(再会)のきっかけとなれば幸いです。そしてその「出会い」を、いつかまた、別のときに、語り合えたなら素晴らしいことですね。

1997/11/09

 

Tadashi Kusakabe

日下部  正

 beke@kt.rim.or.jp