まず時間という資源をどう使っているか

投資という問題を考えるときに重要なのは時間の感覚だ。
たとえば今の自分と5年後の自分をイメージする。時間というのは、誰もが平等に所有する資源だ。
その平等な資源の時間を何にどう使うかで5年後の自分が変わってくる、というような概念を理解するのが投資の第一歩ではないかと思う。
貯蓄が提供するのは「安心」だが、投資はときに「希望」を生むことがある。
希望というのは、今よりも将来のほうがよくなるはずだという思いのことだ。
だから、今と将来の価値をイメージして資源を投入するという行為は、自分の希望を育む芽に関与することにつながる。
投資を始めようと思っている人は、・・・、
まず時間という資源をどう使っているか、自分のことに思いを馳せるべきではないだろうか。

「無趣味のすすめ」 ときに投資は希望を生むが・・・ より 村上龍著 幻冬舎刊