「批判」とは、何かをしたことに対する「勲章」である。
何かしさえすれば、他人は必ずあれこれいうものである。
うまくゆけばいったで言うし、うまくいかなければなおさら言う。
どちらにしても「批判」されるならば、批判される人は何かをした人であり、批判されない人は何もしなかった人、ということになる。何もしなければ、失敗もしない。失敗とは何かをしたことの証拠なのである。
わたしたちの生きる目的は、失敗しないことではなく、何かをすることなのだ。・・・・
何かをして、しかも失敗がない、のは理想だけれど、なかなかそうはいかない。やればやるほど失敗の出る確率は高くなる。
ものは考えようで、失敗がなかったのは、ただ単に、安易なやり方をしたからかも知れない。慎重だったのではなく、臆病だったにすぎないのかも知れない。
つまり、「批判」は、何かをしたことに対する「勲章」なのである。むしろ誇るべきことといってよい。
「考える力」をつける本2
轡田隆史著 三笠書房刊
(くつわだたかふみ)