教えること、学ぶこと

「教育力」 齋藤 孝著 岩波新書 より 


教育の根底にあるのは、あこがれの伝染である。
何ものかを価値あるものと認め、そこに心のエネルギーを注ぎ込む。
何ものかを目指して飛ぶ、矢のようなベクトル。
それがあこがれだ。
心ひかれるものがあるからこそ、努力しようという向上心が湧く。
あこがれが根底にあるからこそ、技を習得する意欲も生まれる。

「あこがれ」のベクトルは、言葉を超えて身体から身体へと感じとられるものなのだ。

参加し作りあげる感覚・・・
一方向的な上下関係ではなく、友情の関係性が教育の目指すところだ。

私の考える教育の基本原理は、「あこがれにあこがれる関係づくり」だ。
新しい世界にあこがれ、燃えて学んでいる人は、魅力を放っている。
その人の「あこがれ力」に触発された人は、自分も学びたくなる。
教育の基本は、学び合い刺激し合う友情の関係だ。

「教育力」 齋藤 孝著 岩波新書