「考える力」  自分で自分に期待すること


私たちは、考えることで、自分自身と現実の間を往復し、世界の新しい楽しみ方を知ることができる。考えることには、「ただ気持ちがいい」とは違った、独特の爽快感と充実感、達成感がある。

「考える」最初の歯車を回すのは大変だ。しかし、いったん回りはじめればそれは回転していく。すると考える力は増幅し、考えが次々と連鎖する。

歯車を回すエネルギーを得ることも大切だ。エネルギーは、いい意味のプレッシャーをかけると出てくる。プレッシャーというより期待感かもしれない。
自分は誰かに期待されていると感じること。人から期待されるところに身を置くこと。あるいは自分で自分に期待すること。こうした動機づけがあると「考える歯車」を回すエネルギーが出てくる。

「考える力」 齋藤 孝著  大和書房刊  あとがきより