自己管理による目標管理こそ、マネジメントの哲学たるべきものである。(P・F・ドラッカー)


目標管理の最大の利点は、自らの仕事ぶりをマネジメントできるようになることにある。
自己管理は強い動機づけをもたらす。適当にこなすのではなく、最善を尽くす願望を起こさせる。

したがって目標管理は、たとえマネジメント全体の方向づけを図り活動の統一性を実現するうえでは必要ないとしても、自己管理を可能とする上で必要とされる。

自らの仕事ぶりを管理するには、自らの目標を知っているだけでは十分ではない。
目標に照らして、自らの仕事ぶりと成果を評価できなければならない。
そのための情報を手にすることが不可欠である。
必要な措置がとれるよう、それらの情報を早く手にしなければならない。
情報は自己管理のための道具であって、上司が部下を管理するための道具ではない。

こうして自己管理による目標管理は、人間というものが責任、貢献、成果を欲する存在であると前提する。
大胆な前提である。しかしわれわれは、人間というものがほぼ期待どおりに行動することを知っている。

目標管理を採用している組織は多い。しかし真の自己管理を伴う目標管理を実現しているところは少ない。
自己管理による目標管理は、スローガン、手法、方針に終わってはならない。原則としなければならない。

自己管理による目標管理こそ、マネジメントの哲学たるべきものである。

 

※マネジメントの三つの役割
 1 . 組織に特有の使命を果たす。(目的を果たすために存在する)
 2 . 仕事を通じて働く人を生かす 
 3 . 自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献する。