「経済の成長」が「社会の衰退」をもたらす
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未曾有の不況・・・それでも日本経済は成長している。
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未曾有の深刻な不況に陥ったといいながら100兆円以上の成長を遂げている
国内総生産 (名目・確定)
1989年 400兆円
1997年 507兆円
この金額はドル換算して、ブラジル、カナダ、ロシア 一国のGDPに
匹敵する規模。(1997)
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※国内総生産(GDP)
国の経済規模の指標。国内で一年間に生産されたすべての財・サービスの産出額から原材料や部品などの中間段階の額を差し引いた付加価値の合計額。国内総支出(GDE)と一致する。
経済成長率はGDPが一年間にどれだけ増えたかを示す。物価上昇分を含むのが名目成長率、差し引くのが実質成長率。
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成長と衰退が同時進行する姿
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「経済の成長」が「社会の衰退」をもたらす
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経済の成長と社会の安定が矛盾する時代に入っている。
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規制緩和という名のもとに行われた市場秩序の撹乱と混乱
「市場を開放」「モノの値段が安ければ、それが消費者の利益」
モノの値段が下がって、賃金が下がらないはずがない。
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市場そのものの膨張がこれ以上望めない経済構造のもとでは、価格が下がれば賃金が下がる。物価引下げ競争が過熱化し、破壊的価格競争になればなおのこと全体としての賃金は低下せざるを得ない。それがデフレに結びつき、賃下げから今度はリストラという名の人員整理が社会現象化してしまった。
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大量解雇を柱にしたリストラによってかりに企業の利益が増えても、逆に社会は衰退していく。
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浪費なき成長
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3つの問いかけ(主題)
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誰のための「改革」なのか 90年代の不況の根本を問う
真に国民の望む「改革」といま「改革」の名において進む事態とはかけ離れたものであること
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節約と成長は両立しないか?
「浪費なくして成長なし」という日本社会の通念を疑い、節約とほどほどの成長が両立する「理念型社会」は決して夢ではないこと
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言葉の真意はどこにあるのか? 「リスク社会」へのおびき出し
「個の尊重」などという流行語の真意をきちんと見抜いていこう
「浪費なき成長」 内橋克人著 光文社